お花の仕事をしていると、幸せなシチュエーションばかりでなく
辛く悲しい場面やお気持ちに接することもよくあります。 けれど、今回の件は、これからも心に残るであろう 切なく悲しい花贈りとなりました。 入院生活を送っていらっしゃる、ご主人さまに 奥さまが、お二人の結婚記念日のお祝いとして お花をオーダーくださいました。 辛く苦しい病と闘っているご主人さまのお気持ちが 少しでも安らぐように、病室に春らしい花を 飾りたいとのことでした。 私は、鮮やかな春を代表する花を集めて 病室の白っぽい風景の中、ひときわ華やかに 気持ちが明るくなるようにと、ピンク~レッド系のアレンジを 早速、作り上げました。 それなのに・・・発送待ちしているさなか ご主人さまの訃報を知りました。 とてもショックを受け、悩みに悩んだ末 奥さまに、お悔やみと今回はキャンセルしていただいても 構いませんという旨をしたためたメールをお送りしました。 奥さまからのお返事は 当初の予定どおり送ってください、ということでした。 「結婚記念日は家で静かに二人で祝いたい」という言葉に 私は涙を抑えることができませんでした。 特別に信じている宗教が、あるわけでもないのですが 「どうして、どうして神様はこんな残酷なことをなさるんでしょうね・・・。」と 私の返信のメールに思わず、神様という語句が出てきました。 兄を見ていてもよく思うのですが 「病が病を手繰り寄せる」・・・そんな気がします。 一人の人を病が叩きのめす、これでもか!というくらいに。 例えば、何万人に一人の確立で発症・・・そんな表現がありますが ご本人は「その一人になぜ自分が選ばれたのか?」と ずっと問い続けられたことと思います。 奥さまのお気持ちがこもった、春のアレンジを ご主人さまにも手に取っていただきたかった・・・。 でも、きっとご夫婦揃ってご覧いただけたと信じています。 そして、このアレンジの次の役割として 奥さまとご子息さまに、本物の春を呼び寄せるようにと 願いを込めて、お送りしました。 病床で毎日見ても飽きが来ないようにと考え、どの角度からも 違った表情が見えるよう、360°変化をつけてお作りしました。 末筆となりましたが、あらためてご冥福をお祈りいたします。 ▼ 「花友」探しなら コ コ ▼ お花情報やスクール探しなら コ コ ランキングにも反映されます。ありがとうございます。
by hanamichiru
| 2009-03-16 18:02
| 花・植物
|
カテゴリ
以前の記事
2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 ライフログ
フォロー中のブログ
花屋&Cafeの話 イコノメ ハンコ作家ayacoのブログ KazのNY庭生活 2 ハミングバード*の休日 ちゃまroom*Pume... Be strong an... 本当に幸せなの? No title pho... 笑わざるもの食うべからず こころあごはん 検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||