08.10月24日(金)見えない勲章

私の介護している兄が、うちに来る少しまえ
当時の担当医が、発した言葉です。
何のためらいもなく・・・
「いままで生活はどうしていたの? 生活保護?」

否です。とんでもありません。
兄は不自由な身体に甘んじることなく
鍼灸・マッサージ師として20年間働き
障害が重度化して、やむなく退職した後も
次第に歩けなくなっていく身体をおして
ハローワークに通い、求職活動を何ヶ月も続けました。
結局、兄への求人は皆無で
ここ数年は障害年金で生活していましたが・・・。
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前述の医師にかかわらず
介護なしでは生活できない、現在の兄しか知らない人は
生まれてからずっと、ひとの世話・社会の世話になって
生きてきたのだろうと思うのでしょう。

けれど、事実は違います。
もちろん、たくさんの人に助けられて
いまの兄があることは、感謝もし決して否定はしません。
ただ、兄は自立して生活するとともに
自身も随分と周囲の方たちを助け
その方たちの力となってきたのです。

高校から盲学校に進学した兄は
弱視ではありましたが、完全失明ではなかったので
全盲のクラスメイトの生活や勉強の手助けをしたそうです。
特に中途失明の年配の方たちが
新しい生活手段を得るため、現役の学生に混じり
鍼灸・マッサージ師の資格取得を目指し
それはもう、大変なご苦労をなさって勉強されていたそうですが
兄はこの方たちのために、授業テープの編集やダビングなどをして
母などは、会うたびよくお礼を言われたようです。

鍼灸・マッサージ師として就職してからも
生まれつき見えたことのない方と
途中失明された方とのちょうど、中間くらいに位置していた兄は
双方の不便さや気持ちが、よく分かったようで
仲立ちのような役割もしていたようです。
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いま、兄はとてもよくしてくださる方々に囲まれています。
兄は、そういう方たちの親切を受けるたびに
「よくしてもらっても、今の俺はなにもお返しができないんだよ」と
ため息まじりに言います。
「昔、ひとに親切にしたことが
 巡りめぐって、いま戻ってきてるんだよ」と私は慰めます。

もし、人が人を思いやってしたことに
勲章をもらえたとするなら・・・
兄の胸には、一つひとつは、小さいかもしれないけれど
キラキラ光る勲章がいくつも、輝いているのではないか
それは、見えないけれど確かにそこにあって
今度は、親切な人たちを兄の元へと
惹きつけてくれてるんじゃないか・・・と
私は思うのです。

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by hanamichiru | 2008-10-24 22:56 | 介護
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